美容師 はしもとの時間

個人の見解です「ほんとに!?」という感覚でご覧ください。

縮毛矯正を上手に行うための5つの絶対的な見極め

 

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「うねる」「広がる」「はねる」「まとまらない」「艶がない」など、これらの悩みを解決してくれる施術が縮毛矯正です。

 

ところが縮毛矯正は少なからずともダメージを伴い、失敗すると大変なことになってしまいます。

 

 こんにちは、原宿美容室「ウィルゴ」の美容師、橋元リョウイチです。

 

今回は縮毛矯正の施術経験数から導きだした答えとして、どんな毛質でも綺麗な髪に導く施術方法をみなさんにお伝えしていきたいと思います。

 

 

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髪の毛の結合?

 髪の毛は【シスチン結合】【水素結合】【ペプチド結合】【イオン結合】の4つの結合でできています。縮毛矯正は、薬剤とストレートアイロンを使用してシスチン結合と水素結合を分離させ、再結合させる施術になります。

 

 

なぜくせ毛になるの?

髪の毛は、毛穴の形状に沿って生えてきます。毛穴の形にゆがみがあると、毛の断面がだ円形の形のくせ毛になります。逆に直毛の方は毛穴がまっすぐで、断面が丸くなっています。

また、くせ毛は親水性タンパク質(オルトコルテックス)と疎水性タンパク質(パラコルテックス)が存在し、2つのコルテックスの伸縮性が違うので、うねりや縮みとなって現れます。

所説いろいろありますが、 遺伝 や 年齢と共に毛穴のゆがみ が生じるという説や、皮膚の細胞分裂と頭蓋骨の成長の差 が毛穴の形を変えてしまうという説もあります。

 

 

 

縮毛矯正とストレートパーマの違いって?

 縮毛矯正とストレートパーマの薬剤はほとんどの美容室が同じものを使用する場合が多いのではないでしょうか。美容師さんによって見解は違いますが、縮毛矯正とストレートパーマの違いを示す多数派意見は「ストレートアイロンを使うか使わないか」という違いになります。

ストレートパーマは、パーマを伸ばすという考え方で、シスチン結合をまっすぐさせて再結合させれば良いので、重力によってまっすぐ落ちる髪の毛に薬剤を塗布すればパーマは伸びます。ストレートアイロンを使用する必要はありません。

縮毛矯正はくせ毛を伸ばすという考え方になるのでストレートアイロンを使用して髪の毛の水素結合までしっかりと伸ばします。

 

縮毛矯正=アイロンする○

ストパー=アイロンしない×

  

 

 

縮毛矯正剤の注意点

 縮毛矯正の薬剤は最初に髪の毛の結合を分離させる 1剤 と、再結合させる 2剤 があります。縮毛矯正で髪質を見極めて塗布していかなければいけないのは 1剤 です。1剤の選択ミスをすると髪に大きなダメージを与えてしまいます。1剤は慎重に選択しなければなりません。

 1剤 は アルカリ度 と 還元値 で数値化することができます。アルカリ度はキューティクルを開く力、還元値はシスチン結合を分離する力と考えます。還元剤が髪の内部に浸透するためにはアルカリ度が高い薬剤でキューティクルを開かなければなりません。このアルカリが大きなダメージ要因になります。もともとケミカルダメージや熱ダメージで損傷しているキューティクルに、アルカリ度が高い薬剤を塗布してしまうと、キューティクルはさらに損傷して中のたんぱく質が流出してしまいます。

髪の限界値はキューティクルが保たれているか否かによるものです。キューティクルがなくなってしまうと、トリートメントも効果が保てなくなり、切るしかない状態になります。

 

 

髪質の見極める5つの方法

縮毛矯正を施す上で髪質を見極める5ステップがあります。【硬さ】・【親水性】・【くせの強さ】・【くせの変化】・【ダメージ】です。これによって32パターンの髪質に分けることができ、その髪質に合わせた薬剤選びをすることができます。

 

 

①髪の硬さを見極める

 

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くせ毛を気にされるお客様は、定期的に縮毛矯正を施しています。上の写真は、くせ毛の例です。前回の縮毛矯正施術から半年が過ぎています。毛先と根本で髪の硬さが異なります。縮毛矯正を過去に施した毛先は髪の毛が柔らかくなっていますが、今回施したい部位・写真ゾーンは髪の毛が硬い状態です。髪の硬さを見た目で判断するポイントは、髪の毛が乾いたような見た目だと硬く、逆に柔らかい髪はしなやかさや多少の潤いがあります。あとは触って硬さを判断できます。写真ゾーンはジレンマゾーンです。前回の縮毛矯正によって伸ばした部位ですが、1回のみなのである程度の硬さが残っています。ですが、強い薬剤を付けてしまうとダメージになってしまいます。ジレンマゾーンは薬剤選びや塗布方法・塗布量を慎重にならなければいけない部位になります。ジレンマゾーンより毛先側は柔らかい状態になっています。

 

 

 

②親水性を見極める

親水性(しんすいせい)は髪が水分を吸収しやすい状態を表します。対義語は疎水性(そすいせい)といって、髪が水を弾きやすい状態を表します。水分を吸収しやすい親水性の髪は薬剤を優しく設定し、逆に疎水性は薬剤を強め設定にします。これはシャンプー台で髪を濡らした後にタオルドライするとすぐわかります。すぐに水分がなくなるのであれば疎水性が高いと判断できます。

近年、日本人の髪はカラーや日々の熱ダメージから、ほとんどが親水性になっており、疎水性の髪は珍しいのではないでしょうか。

 

 

 

 

③クセの強弱を見極める

 くせ毛の強さは、見た目のリッジの強さです。カールがどのように出ているか見て判断できます。

【くせ毛の種類】

波状毛(はじょうもう)

波状のくせ毛です。

捻転毛(ねんてんもう)

スパイラル状のくせ毛です。

縮毛(しゅくもう)

 縮れている毛です。

 

 

 

④クセの変化を見極める

 髪の毛は乾いた状態と濡れた状態で髪のカール具合が変わります。これは髪の毛の中のシスチン結合・水素結合の割合によって変化率が変わります。水に濡れると水素結合が分離してしまうので、濡れた状態でカールが強い場合はシスチン結合が強い、逆に乾いた状態でカールが強い場合は水素結合が強い。という判断ができます。

 

カールが強いのが

ウェットの場合→シスチン結合が強い

ドライの場合→水素結合が強い

 

 

 

 

⑤ダメージを見極める

ダメージレベルは、キューティクルの強さによって変わります。キューティクルはうろこ状に4~10枚重なりあっていて、ケミカルダメージや熱ダメージによってキューティクルが徐々に削られていきます。キューティクルの層が薄い毛質だとダメージを受けやすく、層が厚い毛質は耐性が強くなります。

キューティクルが限界になってしまうと、髪の内部のコルテックスからたんぱく質が流出してしまいます。

ダメージは見た目や触った質感で判断します。わかりやすい判断は、濡らしたらてろてろになってしまう髪の毛がダメージ強です。

 キューティクルにも所説いろいろありますが、髪が伸びるスピードが早いとキューティクル形成が薄くなり、遅いと厚くなるという説があります。

 

 

 

薬剤を部位ごとに分ける

 くせ毛は全頭が均等に同じとは限りません。人によっては顔周りだけくせ毛が強かったり、襟足だけくせ毛だったり、様々です。くせ毛の強い部位には、それ相当の薬剤を選び分けていくべきでしょう。そして、薬剤を塗布する順番も、くせが強い部位を最初に塗布することで放置時間が長くなるので、意識的にくせが強い部位を最初に塗布するようにしましょう。

 

 

 

アイロン前にブローする髪・しない髪

 ドライの状態でくせが強い髪は、しっかりとしたアイロン操作が求められます。濡れた状態から乾く過程で伸ばす方がより良く伸びますので、ブラシでブローすることをお勧めします。④くせ毛の変化を見極める で、乾いた状態でカールが強く出る髪質は水素結合が強いという説明をしました。この、水素結合が強い髪はブローしたほうが伸びやすくなります。濡れた状態から乾く過程で伸ばすと水素結合がよりまっすぐになります。

 

乾いた状態でカールが強い→ブラシでブローしたほうがいい

濡れた状態でカールが強い→薬剤でしっかり結合を分離させたほうがいい

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ストレートアイロンの使い方

ストレートアイロンは、髪の毛の毛流れに逆らってはいけません。毛流れをしっかり見極めてスライスをとり、オンベースというより、毛流れベースでステムを考えるようにしましょう。毛流れステムにテンションを少しかけてアイロンを入れていきます。

 

ストレートアイロンの注意点を動画にしております。良かったらご覧ください。

www.youtube.com

 

 

 

2剤の塗布方法に注意

2剤が過水の場合は放置時間を極力短くすることをおすすめします。ブロム酸の場合は10分以上放置するべきでしょう。過水は弾力ある仕上がりに、ブロム酸は柔らかいしあがりになります。そして、必ず毛流れを意識するようにしてください。とくに前髪はパート分けして塗ってしまうと跡が残り、せっかくの施術を台無しにしてしまいます。毛流れを意識しながら塗布してください。

 

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【プロフィール】

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橋元リョウイチ

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原宿にある美容室「VIRGO」スタイリスト

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